オリンピック「優勝者」の多くは、『自分が優勝すること』がわかっている。
この運ラボでも、よくトピックに上がっている「幸運な人生の流れ」。
「運」をコントロールする上で「流れに乗る」ことはとても重要です。
「流れに乗っている」時、
私達は、
★ ワクワクするような「確かな感覚」を持つことが多い
です。
自分にとって「ベスト」な流れで、他の人のためではない、独自の『幸運』が「自分自身にのみピンポイントで発生している」という確かな感覚、です。
要は
★ 正しい道を進んでいることが実感できる「圧倒的な感覚」
ですね。
よく、オリンピックの競技などで「優勝」した選手などに、後日インタビューをすると、彼らの多くは
競技に入る直前のその段階から、既に『自分が優勝すること』がわかっていた
という感覚を経験していることが多いといいます。
実際の試合や競技の前に、自分がこれから優勝するという「確信」を得ている、そして極度に集中しているのにもかかわらず、こわばった緊張が一切ない。自分自身に「波が来ている」という圧倒的な爽快感と、なぜか清々しい安心感。それでいて、あくまでも「今から戦いの本番に臨むのだ」という強い意思。
自分の人生の『流れ』に乗っている人はみな、同じようにこの「確かな感覚」を何度も経験している場合があるようです。
私が「運の研究」でよくお話している「フロー状態」という「快感と喜びを伴う、極度の集中状態」を、まさに絶頂で経験するわけです。
その「極度の集中状態」に完全に没頭しつつ、強く願望達成をイメージしてから、今度は潔く「その全ての想い」を「手放す」と、人は、自分の内面で考えていた思考を「外側の世界」へと反映させることができます(*アメリカの大学の物理の実験で、既に証明されている「現象」です)。
カナダであった実在の人物による「実話」、ある「奇跡」のお話。
先ほどお話した「オリンピックで優勝する人」が経験する「流れにのった状態」は、「オリンピックの決勝の舞台」という「今その瞬間の爆発的な集中力」にによって引き起こされるパターンのフロー状態によるものです。
それに対して、もっと長期的な、私達の「実際の日常生活」で起こる「流れに乗った状態」というのは、その日々の日常の中で私達が体験する「小さな事柄」が徐々に「重なって」いき、最終的に驚くほど物事が上手く運んでいくことによって起こるパターンのものです。
この「運ラボ」でよくお話している、運のコントロールにおける
原因と結果
に関係してくるのですが、そのゼロから一を生み出す「原因」を作っているのは、まぎれもない『私達自身』です。
今度は、その、私達が自らゼロから一を生み出す「原因」となって引き起こしていく「流れに乗った状態」の例を挙げてみましょう。
ゼロから一を生み出す「原因」の種を自ら蒔き続けることによって「幸運な人生の流れ」を素で体現した
「ある実在の人物の物語」
を紹介させていただきます。
その青年は、カナダに住んでいた20代のフリーターでした。
自国でピザの配達や実演販売のアルバイトで生計を立てながら、数か月おきに、ワーキングホリデーやバックパッカーとして海外を旅して周るという生活を送っていました。本人は「実に気まま」に、旅をしながら暮らしていたわけですね。
彼は「藁(わら)」ならぬ、1本の「赤いクリップ」をはじめに、インターネットを使って物々交換をし、
たった1年で「持ち家を手に入れる」というところまでいき、当時のカナダでちょっとした有名人になっていました。
彼は、自国と外国とを渡り歩きながらの「自由気ままな生活」を楽しむ一方で、ひそかに地に足のついた生活にも憧れ始めていました。
当時十分な資金のなかった彼は、自分の住んでいる地域のローカル情報を掲載している、インターネット・サイトの『物々交換コーナー』に広告を載せることを思いついたのでした。
「ゼロから一を生み出す」最初の一歩として、彼は、最初に自分の家にあった、なんの変哲もない「赤いクリップ」に目をつけました。
そして『この赤いクリップよりも大きくて良いもを交換してくださる方、求む』という、なんとも厚かましい(笑)広告を出したのでした。
やがて、この厚かましいお願いに、遊び半分で興味を持ってくれた女性が、この「赤いクリップ」を「魚の形をしたペン」と交換してくれました。
続いて、ある芸術家の女性が、知人の息子が創作したという「陶器のコーヒーカップ」と「魚の形をしたペン」とを交換してくれました。
この時、青年は、インターネットの書き込みで、この交換主の芸術家の女性が冗談でリクエストした通り、郵送等の交換手段を使わずに、自分の足で芸術家の女性の自宅に出向いて物々交換を成立させたそうです(2023年の現在であったら「ちょっと際どい行動」ですね・苦笑)。
彼は、日頃から『自分から行動を起こす』ということをモットーにしていたので、この記念すべき「一番最初の交換(ゼロから一を生み出すこと)」と「やっと生まれた『一』をゼロに戻すことなく、次に繋げる交換」が実現したのだそうです。
「陶器のコーヒーカップ」は、更に「アウトドア用品で有名なコールマン社製のキャンプストーブ」に変わり、
その「キャンプストーブ」は、アメリカ・カリフォルニア州の海兵隊員によって「発電機」に交換されていきました。
ここで思いもよらない『逆境』が彼を襲います。
ニューヨークに住む男性の所有する「パーティー・パック」と呼ばれる、バドワイザーのビールのタルとネオン看板のセットと交換されるはずだった「発電機」が、手違いと誤解により、消防署に没収されてしまう事態が起こってしまったのです。
しかし青年は、パニックに陥ることなく、夢を達成するために消防署に乗り込んで、冷静に忍耐強く交渉と対話とを続け、ついに「発電機」を返してもらうことに成功しました。
こうして無事に交換された「パーティー・パック」は、彼と同じくカナダに住むDJによって「スノーモービル」に交換されることとなりました。
「赤いクリップ」一個が「スノーモービル」に変わっただけで、普通の人だったら十分満足してしまうところですが、
なんとこの青年は、次々と高額な物へとアップグレードされていく、この自らが始めた物々交換の急ピッチで展開されていく状況から、
『最終的に持ち家を獲得する』
という計画を、ひそかに持ち始めるようになりました。
「赤いクリップ一本」から「住宅一件」です。
話の最初(「赤いクリップ」)と最後(「持ち家としての住宅」)だけを聞いた人にとっては、まるで突拍子もない「夢物語」に聞こえることだと思います。
しかしこの青年はちゃんと「プロセス」を踏んでいった。それも「着実」に。。
彼の物々交換遍歴と目標を綴ったブログがやがてマスコミの目に留まり、カナダ全土で話題沸騰となっていきました。
テレビ局からインタビューを受けた時に彼が発した言葉
『スノーモービルを交換するために、ここだけは絶対に行きたくない土地』
が、あるスノーモービル専門誌の編集者の「心のツボ」を見事に尽き、
「ロッキー山脈に位置するヤークという集落限定での旅費」と「スノーモービル」とが交換されました。
こうして『赤いクリップ交換プロジェクトの対象』は、その後、急ピッチでどんどんより高価なものへとアップグレードされていきました。
「ロッキー山脈に位置するヤークという集落限定での旅費」が、ある制服支給会社の「社用車」と交換され、その「社用車」は、カナダのトロント在住のミュージシャンによって『専用スタジオでレコーディングできる権利』に交換されました。
最終的には、アメリカ・フェニックスを中心に活動する、ある女性歌手によって『彼女のフェニックスの自宅を1年間住む権利』に交換されることとなりました。
そして彼は、当時、最終的に『持ち家を手に入れる』という目標達成まで、本当にあと一歩のところにいたのです。
最終的に、彼の『持ち家を手に入れる』という目標はどうなったか!?
みなさん、ネットで調べてみられると面白いと思います。
そしてこの「実話」は、なんとハリウッドから「映画化」の話も持ち込まれたそうなんですね。
注目して欲しいのは、この青年の「人生に対する態度」
私がこの「実話」を始めて耳にし、実際にその「実話」をリアルタイムで追っていたのは、既に数年前のことですが、彼の「物々交換風呂ジェクト」には、実に多くの「示唆」と「知恵」がちりばめられています。
この青年が一番最初に交換した「赤いクリップ」は、「運の研究の視点」からは
★『自ら0→1を引き起こす原因となる」ことで発生する『日常で起こるささいな幸運』
です。
彼は「まじめ」に「真摯」に、そして「継続的」に、その『ささいな幸運』を『より大きな成功』へと変えていきました。途中に様々な『困難』が発生したとしても、です。
辞めなかった。そして物々交換プロジェクトの「プロセス全体」を楽しんでいた。
これこそが、『幸運な人生の流れ』の「エッセンス」です。
この青年は、随分と長い間、外国を放浪し続けていた経験があったので、なんといっても同時、世界中に友人がたくさんいたそうです。
大の「地図マニア」であった上に、インターネットでのブログやSNSを通して、大勢の人と繋がったり、知り合いになったりしていたそうです。
カナダ国内でフリーターやアルバイトをしていた時に行っていた実演販売では、上手なセールストークを十分に鍛えられ、人と関わる時にも、彼のオープンマインドな人柄と性格で、豊かなコミュニケーション能力をいかんなく発揮できていたと推測されます。
彼自身が「真っ当な人生」だと考えていた「地に足のついた生活」を送っている人から見れば、
一見気ままで自由な『彼の暮らしと経験の全て』が
★『日常でおける奇跡』を引き起こすかもしれない「貴重な学び」「トリガー」であった
わけです。そして
★「幸運な人生の流れ」を強力に作る「トリガー」であった
とも言えるわけです。
まさに、日本の「わらしべ長者」のお話に、そっくりな「実話」でした。
ささいな事柄の中にも意味を見出す
「運をコントロールする」「流れに乗る」ということを、実に端的に表した、意義のある「実話」だと思います!
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