みさなん、こんにちは!
前回に引き続き、『IQ・EQ』と『運』の関係に関係するお話です。
今回は、素晴らしい高揚感と快感を伴った「自己有能感」が得られる、瞬間的な「気づき」「ひらめき」「理解」「納得」などの高度な認知的体験である
「アハ体験」
について、「運」と絡めてお話していこうと思います。

「アハ体験」(Aha experience)について聞いたことのある方は多いと思います。また、実際に、「アハ体験」を経験してきた方も多いと思います。
アハ体験とは、「気づき」「ひらめき」「理解」「納得」などが瞬間的に訪れることで脳が極度に活性化し、同時に知的高揚感と認知的快感に満たされた状態を一瞬で経験することです。同時に、今までわからなかったことが瞬時に理解できたり、価値の高いアイデアがまるで「降りてきた」かのようにひらめくことで、強烈な自己有能感が得られる貴重な体験です。
このアハ体験ですが、実は、脳科学者や心理学者の間では様々な見識の違いが存在しています。
「鶏が先か、卵が先か」
のように、その瞬間、脳が極度に活性化することで「気づき」「ひらめき」「理解」「納得」が得られるのか、それとも反対に「気づき」「ひらめき」「理解」「納得」が得られたことで、それに脳が瞬間的に反応して極度に活性化するのか、
の二者の間で見解が分かれています。
前者の
「その瞬間、脳が極度に活性化することで「気づき」「ひらめき」「理解」「納得」が得られる」
とう見解は、なんらかの刺激を脳が受け取ることになったその環境と、実際にその特定の刺激を受けとった脳の状態との間に「相関関係がある」という見解です。
その「相関関係」とは、「環境」と「脳が受けた刺激」との、特定の「認知の組み合わせのパターン」が発生することで、その「認知の組み合わせのパターン」が脳に記憶されている「過去の様々な学習・経験の記憶」と繋がったり、それらの記憶を呼び起こしたりすることで、結果として、脳のシナプス(神経)に高速で情報が伝わり、特定の「気づき」「ひらめき」「理解」「納得」が瞬時に得られる、というものです。
(*「シナプス」とは、脳内の神経細胞であるニューロンと、別のニューロンをつなぐ接合部のことで、神経情報を出力する側と入力される側の間に発達している、脳内情報伝達のための接触構造のこと。この「シナプス」の機能が高いほど、より高速で反射・認知・理解・判断等ができる、いわゆる「頭の回転が速い」という状態になります。)
ここで特に興味深いのは、
「環境」と「脳が受けた刺激」との、特定の「認知の組み合わせのパターン」
の部分です。
「脳がおかれた環境のパターン」には、その個人の経歴、行動、今ある状況、考え方、人間関係、、所属団体、所在地等によって無限のパターンが存在します。同様に「脳が受けた刺激」にも、その個人の成長過程における反応パターンや学習経歴、健康状態、嗜好、信条、感受性、場合によっては認知バイアスなどによって無限のパターンが存在します。
その無限のパターンの組み合わせである「認知の組み合わせのパターン」もまた、統計的には気が遠くなるような組み合わせのパターンとなりますね。
その、理論的には無限の「認知の組み合わせのパターン」が、個人の脳に記憶されている「過去の様々な学習・経験の記憶」の特定の記憶と繋がると、全く新しい「ひらめき」や「アイデア」となったり、何か一つの記憶の断片をきっかけとして、芋ずる式に連想が繋がって、今までわからなかった(と思っていた)事柄の全てが繋がったかのように、突然理解できたり納得できたりするわけです。
なので、この前者の見解からすれば、
「想像力」=「認知の組み合わせのパターン」×「過去の様々な学習・経験の記憶」
と言っても過言ではないかもしれません。こうして微妙に新規の部分を備えた「アイデア」が無限に生まれてくる。
この点、以前ブログでお話した、
特許・科学技術において『新規発明』部分の発見・アイデアが生まれる仕組み
にも関係してきますね。
【関連記事】

そして後者の、
「「気づき」「ひらめき」「理解」「納得」が得られたことで、それに脳が瞬間的に反応して極度に活性化する」
という見解では、反対に、「先に思考がある」状態で、ある程度の理解・納得ができていて、なおかつ、もう一歩深いレベルの理解や今あるアイデアの更なるブラッシュアップのために脳が試行錯誤している時に、先ほどの、
個人の脳に記憶されている「過去の様々な学習・経験の記憶」
のうちの特定の記憶と繋がった場合に、「糸口」をつかんだ脳が瞬間的に反応して極度に活性化し、更に深いレベルの理解やより斬新なアイデアを生み出す、というものです。
いずれにしても、「アハ体験」を経験するその瞬間、今まで全く結びつきのなかった脳内の神経細胞間では新たな情報伝達が高速で行われ、脳の活性化が進み、快感ホルモンでもあるドーパミンの分泌も活発になります。
このために、「アハ体験」には素晴らしい知的高揚感と快感が伴うわけです。楽しみながら「脳トレ」しているような感覚ですね。一度「アハ体験」を経験すると、その素晴らしさに、何度でも「アハ体験」を経験したくなる人は多いと思います。
「アハ体験」で「わかった!」という瞬間に、ただ「わかった」というだけではなく、脳内では一時的な活性状態がその後一定時間続きます。
様々な事柄が連鎖的に理解できたり、アイデアが出続けたりすることがあります。時間にして5分~長いと1時間程の極度の「脳機能の向上」が見られるんですね。ドーパミンの分泌や脳への血流が活発になったことも一因なのですが、その時に一気に頭が良くなった感覚を感じる人も少なくありません。
ほとんどの人は、まるで自分が一時的に「天才」にでもなったかのような感覚に陥ります。「冴えわたっている」という状態が非常にクリアに体感できるからです。
ただし、この「アハ体験」による「脳機能の向上」は非常に瞬時的・一時的なもので、先ほどもお話したように、「アハ体験」で瞬間的に閃いたり理解できたりしてから、時間にして5分~長くて1時間程度で、その「脳の絶好調状態」と「高揚感・快感」は薄れていきます。
「アハ体験」そのものも、その後の脳の一時的な活性化も、非常に短時間でもとの鎮静状態に戻ってしまうのですね。
実はこの「アハ体験」は、このブログでよくお話している「フロー状態」にかなり近い状態なんです。
「フロー状態」とは、素晴らしい高揚感や快感を伴う「極度の集中状態」で、今目の前で取り組んでいる物事に喜びを持って深く没頭している状態であり、自分の能力の全てが出し切れている状態、そのために高いパフォーマンスを上げることができる心と脳の状態のことです。
本人が「喜び」と「高いパフォーマンス」を同時に感じられていることが特徴であり、そのために、「強運」に必須の「意味のある偶然の一致(シンクロニシティ)」をどんどん発生させていく原点となる状態です。
【関連記事】
ところで、「アハ体験」がかなり瞬時的・短期的なものなのに対して、この「フロー状態」というのは、その「フロー状態」に入っている個人の状態によっては際限がありません。
一日中「フロー状態」に没頭している人もいれば、通常の覚醒状態と「フロー状態」の穏やかなアップダウンを実に綺麗に繰り返せている人もいます。言い換えれば、「アハ体験」がずっと継続的に起こってる状態というのが、まさに「フロー状態」なわけですね。
極度の集中状態である「フロー状態」でも、瞬間的な閃きや理解が、快感や高揚感を伴って体験されます。今までわからなかったことが瞬時に理解できたり、素晴らしいアイデアが閃いたりと、高揚感・自己有能感・知的快感が得られつつ、脳機能が著しく上昇している状態ですね。脳の状態としては極めて理想的な状態です。
そして、この極めて理想的な脳の状態というのは、
人間の能力や才能を最大限に使っている状態である
とも言えます。
「アハ体感」も「フロー状態」も、決して特別な脳の機能や状態を保っている人だけではなく、私たち誰もが到達できる脳状態の境地のですが、「アハ体験」や「フロー状態」を頻繁に繰り返すことで、シナプスの状態も飛躍的に向上し、必然的に脳機能やIQが向上していきます。
これは、小さい子供たちを観察していると特に顕著です。
子供たちの脳というのは、完全に発達しきる前、脳細胞がどんどん発達している途上にある状態で、なおかつ無限の可能性を秘めた状態であると言えますね。
子供たちほど、「フロー状態」に没頭できる資質を持っている存在はいません。彼らは、日常のほとんどを「フロー状態」で過ごしているといっても過言ではないと思います。
夢中で遊びや運動に没頭したり、夢中でゲームやパズルを解いたり、夢中で好きな科目を勉強したり、夢中でレゴブロックやプラモデルを組み立てたり。。。
「夢中」というのが、既に「フロー状態」なんです。
自分の子供の頃の記憶をたどってみると、ほとんどの人が既に「フロー状態」を経験しているのですね。
「夢中」には素晴らしい満足感、意義を感じる高揚感、そして当然今没頭している物事にかかわっていることに対する快感が伴ってきます。そしてその幸福感から、更に好奇心が強まり、興味のある物事に深く集中するようにもなりますし、努力を努力と感じずにその状態を継続していくことができるのです。
そして没頭しつつ、いつの間にか高いパフォーマンスやアウトプットを上げている。それが何度も繰り返されて、実力も周囲の人達からの信頼も上がっていくわけです。まさに相乗効果で自分を取り巻く状況まで良くなっていく。
「心から幸せそう」に結果をどんどんたたき出していく人を、応援したくない人などそうそういませんよね。いろんな意味で、物事が次第にどんどん上手く運ぶようになっていきます。
(*ただし、「嫉妬」等でその無垢な活躍を妨害されることはよくあります。次回以降のブログでより詳しく「嫉妬」についてお話していけたらと思います。実際、他人からの「嫉妬」により、自分の「運」が悪影響を受けることはよくあるからです。「嫉妬」は人間にとって、永遠のテーマですからね。。(苦笑))。
そして、その「フロー状態」に没頭している人を手助けするかのように、「意味のある偶然の一致(シンクロニシティ)が次々と発生して、運が巡っていくわけです。そしてその時、私たちは「絶好調」な状態で、難しいと思えていた事柄にも、今まで以上に試行錯誤で挑戦するようになっていきます。高揚感や快感が、実際の労力をはるかに超えるからなのですが、一種の「ランナーズ・ハイ」のような境地になるのですね。
「今の自分のレベルよりも『ちょっとだけ』上のレベル」に段階的にどんどん挑戦していくことが当たり前になると、ある時、かなり高いレベルにまで自分を上げていることに気づくというわけです。
でも大人になるにつれて、「夢中」とは別の心や脳の状態を保つ必要もたくさんでてきます。その折り合いをつけながら、私達は日々の現実に対処していくのですが、それでも「アハ体験」を得たり、「フロー状態」に没頭できる資質は、何歳からでも手に入ります。

ところで、先ほどのように、素晴らしい満足感、意義を感じる高揚感、そして当然今没頭している物事にかかわっていることに対する快感を伴う「アハ体験」や「フロー状態」を長時間繰り返すことで、脳機能的にIQが向上するのはもちろんなのですが、当然EQ(忍耐力、共感性などの非認知能力)やPQ(問題解決能力、臨機応変さなどの潜在的知性・社会性)も向上します。
なぜかというと、「アハ体験」や「フロー状態」により得られる高揚感や快感というのは「知的高揚感」「知的快感」のことであり、これは、脳の前頭連合野の働きに密接に関係しているからです。
前頭連合野の機能が高まると、読書や計算、勉強だけではなく、会話や人間関係の構築、仕事と遊びの両立、個人性と社会性の両立、適度なストレス耐性の向上など、「認知分野」「非認知分野」の両方において、様々な思考や活動でまんべんなく良い結果を出す可能性が高まるからです。
前回、前々回のブログでお話している、IQ、EQ、PQ全体が、バランス良く向上していくのですね。そしてずっとお話してきているように、「フロー状態」により、運も向上していきます。

【編集後記】***今回から始めました(笑)。
最近、今後ますます
『強烈さ』が必要になってくる時代
になるんじゃないかと思っています。
「インパクト」
ですね。
無理に出そうとする「インパクト」ではなく、私達の中から自然に湧き出てくる「インパクト」です。
「インパクト」=「強烈なオーラ」「強烈な個性」「強烈な強み」「強烈な思い」「強烈な願い」「強烈な生きがい」。。。。いろいろありますが、
運やエネルギーを「奪う」人達って、この、私達の中から自然に湧き出てくる「インパクト」「強烈さ」を狙っていますね(苦笑)。エネルギーに変換して自分にチャージしようとしているのでしょうか?
自分の中にある「インパクト」「強烈さ」を出していきましょう。
良い目的のために、関わる人が「WIN-WIN」になるために、あなたの「インパクト」「強烈さ」を有効活用しましょう!
【関連記事】

コメント